Sherchan A, et al. (2025) Clinical significance of risk factor analysis in pancreatic cancer by using supervised model of machine learning. Front. Med. 12:1551926. doi: 10.3389/fmed.2025.1551926
何かと言うと、「膵癌を予測するリスク因子」を、機械学習を用いて作ろうとしたという報告。
内科医・産業医@東京都です。アラ還の昭和女子で、わりと文具好き。医学論文紹介とかしていきたい・・はずですが、ほとんど雑談かアート・舞台鑑賞の感想など。認知症予防のための忘備録というか。気まぐれ更新のブログです。 お知らせ用HP: https://www.masuko.page/ ※当サイトの記事の一部に、PRが含まれている場合があります
Sherchan A, et al. (2025) Clinical significance of risk factor analysis in pancreatic cancer by using supervised model of machine learning. Front. Med. 12:1551926. doi: 10.3389/fmed.2025.1551926
何かと言うと、「膵癌を予測するリスク因子」を、機械学習を用いて作ろうとしたという報告。
「デジタル脳腐敗」という言葉がある。
脳の腐敗 Brain rot:2024年、オックスフォード大学の「今年の言葉」に選ばれた言葉。
‘Brain rot’ named Oxford Word of the Year 2024
上記の記事によれば、brain rotは
"取るに足らない、あるいは刺激のない(簡単すぎる)情報(現在では特にオンラインコンテンツ)を過剰に消費した結果として生じる、ひとの精神的または知的状態の悪化"
と定義され、また"そのような悪化につながる可能性のあるもの"も含まれる。
この文脈で最近、話題というか問題となっているのが、こどもとネット動画、特にいわゆるショート動画との関連である。
SNSの「おすすめ」によって次々に流れてくる低品質なショート動画を(受動的に)多く見ていることが、いずれその子どもの脳に悪影響を及ぼすのではないか・・と危惧されているのだ。
Yahoo!ニュース「ショート動画中毒」が深刻すぎる…脳科学が解明した“集中力低下”の恐ろしすぎる正体 1/5(月)
もちろん「脳腐敗」といった言葉は、現時点で医学的に定まった概念ではない。しかし、すでに各国の公的機関からは、未成年者のSNS使用を制限する方向性が打ち出されている。将来的な認知機能や知的活動の低下の可能性を考えれば、我が国でも議論や対策を急ぐべきところであろう。
というところで、こどもとネット動画との関連についての文献を一つご紹介。
「本を読めなくなった人たち コスパとテキストメディアをめぐる現在形」を読んだ。
興味深い内容で、わりと一気に読んでしまった。
「本を読めなくなった人たち コスパとテキストメディアをめぐる現在形」
(稲田 豊史著、 中公新書ラクレ,2026)
このたび学会のため飛行機に乗る機会があったのであるが、
なんと私としたことが、羽田空港の保安検査でセキュリティに足止めされてしまったのである。
持ち物の何かが引っかかったらしい・・
健康長寿には、食事(と運動)が大切・・というのは皆わかっているところであるが、
では実際、何を食べたらいいのか?
というのは、人類、というより生物全体にとっての永遠の(?)課題であろう。
ヒトの場合実際には、「健康長寿」よりも"違うコト"を優先して飲み食いしている場合も多いだろうが(私だけか
小野リサさんのコンサートに行ってきた。recri(紹介割引付リンク)のチケット提案からのチョイス。
ラインアップに「小野リサ Premium Live ~私の好きな歌~」があり、「おおっ」と即決したのであった。
東京国際フォーラムでの、1日限りのライブ。
ささやかで地味な毎日の中で、
ときに、
輝く幸福の一日というものに、出会うことがある。
眩しい光、高い青空、親しい人々のさざめく会話、
そして果てしなく広がり、つながっていく道。
そんな一日に出会えたなら、
それはきっと、それまでの生き方へのご褒美だ。
先日、バーナード・ショーの「ピグマリオン」に関連した紀伊國屋のオンラインイベントのトークで、イプセンの「人形の家」が取り上げられていたので、改めて戯曲を読んでみた。
矢崎源九郎さんによる訳。ちょっと古い言葉遣いではあるが、今も読まれている一冊。
土曜日が勤務日だったこともあり、この連休はなんだかすぐに過ぎてしまった。
資料を作ったりオンライン研修を聴講したりメール返信をしたり、(ちょっとだけNintendo Switch2をやったり)、本を読んだり、(ちょっとだけNintendo Switch2をやったり、)・・・
などと(だらだら)やっていたのであるが、
お正月休みである。
当然、朝はだらだらする(※個人の感想です)。
・・・そう言えば、
週末の寝だめは高齢者の認知症を予防する、みたいな論文があったよな
と思ってちょっと探してみたところ、いくつかヒットしたのであるが
わりと最近の論文があったのでだらだらと・・いや、かいつまんで読んでみることに。
Zhao B, Zhou S, Chang J, Li A, Geng C, Wei T, Zhao Y, Gao P, Wang Z, Tang Y. Association between weekend recovery sleep and risk of incident dementia: a prospective cohort study in the UK Biobank. J Neurol. 2025 Sep 5;272(9):612. doi: 10.1007/s00415-025-13363-y. PMID: 40911069.
UK Biobankのコホートで、週末の寝だめ(weekend recovery sleep, WRS=週末回復睡眠というのかな) が認知症発症リスクに影響するかどうかを観察した前向き研究である。すごいな。
対象は、UK BIobankに登録された、認知症のない40–79 歳の成人88,592 名。
対象者に、手首式の加速度計を装着してもらい、平日・週末の睡眠時間を測定。
そしてアウトカムとして、新規発症の認知症(アルツハイマー病、血管性認知症などすべての原因による)を医療記録によって判定し、Cox 比例ハザードモデルおよび制限付3次スプラインモデル(RCS)で分析した。(※私に統計のことは聞かないで下さい・・涙)
(本文が読めないので、追跡期間の詳細がわかりません・・・どなたか原文を読めたらご教示下さい)
その結果、
88,592名の対象者(平均[SD]年齢:61.9 [7.9]歳)のうち、735名(0.83%)が認知症を発症 (308名 (0.35%)がアルツハイマー型、137名 (0.15%) が血管性認知症、319名 (0.36%) は非特異的)。
そして、上記のRCSから算出した、それぞれの認知症の発症リスクが最小となる平日の睡眠時間は、
全要因での認知症;約 8.38 時間(HR, 0.73; 95% CI 0.64–0.84)
アルツハイマー病:約 8.33 時間 (HR, 0.72; 95% CI 0.58–0.89)
血管性認知症:約 9.07 時間 (HR, 0.59; 95% CI 0.40–0.88)
であった。
そして、
平日に上記の睡眠時間が確保できない群では、
週末回復睡眠が長いと、認知症の発症リスクが低下したという。
全要因での認知症;HR, 0.801; 95% CI 0.717–0.893
血管性認知症: HR, 0.747; 95% CI 0.612–0.91
しかし、平日に上記の睡眠時間より長く睡眠をとっていた群では、
週末回復睡眠が長いと、非特異的認知症のリスクがむしろ上昇した (HR, 1.291; 95% CI 1.087–1.533)。
ということで、
ふだん睡眠不足気味な人々では、週末の寝だめは認知症リスクを低下させる可能性があるが、
普段から十分寝ている人がさらに週末に寝ていると、認知症リスクを上昇されるかもしれない
という結論になっている。
もちろんこれは観察研究であるので、寝る・寝てない←→認知症 という因果関係を示しているわけではなく、他の行楽因子、もとい交絡因子も考えられる。また手首式の加速度計がどの程度正確に睡眠(量・質)を測定しているか確定できない。
ただ、睡眠は、脳にとってとても大切なメンテナンス時間である。
ひとにはそれぞれ、心身、とくに脳の機能維持のために必要十分な睡眠時間というものがおそらくあり、それが守られないと徐々に綻びが蓄積してくるのかもしれない。
ということで、普段忙しい皆様、今くらいは少しだらだら・・もといゆっくりお過ごし下さい。(週明けに予想される現実からしばし逃避を・・)
先日読みかけになっていた、ヘッセの「デーミアン」[Amazonリンク]を読了。
酒寄進一氏の訳は読みやすかった(翻訳の過程の一部を含む、訳者によるあとがきも興味深く勉強になった)。
ヘルマン・ヘッセが当初、自身の作品であることを隠して発表したこの哲学的な作品は、第一次世界大戦の世情とヘッセ自身の精神的な危機を背景にしているが、
宗教離れが加速していると言われ、またAIを使えば自分で考えることなく物事が完遂してしまいそうな現代でもなお、
この物語からの問いかけは読者ひとりひとりの心を打ち、内省の旅へと誘い続けているように思う。
その中からの一節を以下に置いておく。
これからの1年が、皆様の内面に実りある旅でありますように。
すべての人に与えられている本当の使命とは、自分自身に辿り着くこと、この一点に尽きる。
(ヘッセ著,酒寄進一訳:デーミアン. 光文社,2017より抜粋引用)