草彅剛主演「シッダールタ」を観てきた。
世田谷パブリックシアター。
もちろんチケットは激戦(私は新しい地図FCには入ってないですし)。とりあえず買えたチケットということで、3階席。見下ろす感じ。
舞台は円形のステージになっていて、砂(?)が撒かれている。
その砂が、土、水、大地などさまざまに変化し、すり鉢状に競り上がる円周の壁を役者が駆け下り・駆け上り、映写されるプロジェクションマッピングによって舞台は時代と場所を超越する。
本作は、ヘルマン・ヘッセの「シッダールタ」に加え、「デーミアン」の世界観を組み入れて構成された、と聞いていたので、「シッダールタ」を読んでから観劇した(「デーミアン」も読もうと思ったのだが途中までで時間切れとなってしまった・・)。
この作品に関しては、原作を読んでおいてよかったと思う。というより、読んでいなければ解釈が難しかったかもしれない。
主人公(草彅剛)は「男」であり、もしかしたら「エーミール・シンクレア」(デーミアンの主人公)でもあり、そして「シッダールタ」である。
音楽や背景は古代インド、釈迦牟尼仏陀の生きていた時代を映し出しながら、
シッダールタである「男」は、生と「死」、禁欲と快楽、飢餓と飽食とを行き来し、
人生という川のたゆたいの中でその精神を昇華させていく。
草彅剛さんはじめ、役者の皆さん、ダンサーの皆さんの熱量が素晴らしかった。
この劇場の3階席は「高所恐怖症の人は注意」とかよく言われているが、私はそれは大丈夫だったし、思ったほど「バーのカウンターのような座席」という感じではなかった(ただし確かにそれに近い)。
それよりも気になったのは、手すり問題。
やっぱり視界に手すりが入る。まあ舞台の大部分は見えるし、高所から全体を俯瞰する感じなので、オペラグラスがあればさほど問題はないのだけれども。
なお1段ごとにかなりの高低差があるので、前の人の頭は問題にならないはず。しかし座席の前は狭いので、奥に入ろうと思うと、多くの場合は手前の人に一度出ていただくことになりそう。
あと3階までは階段。
(以下はネタバレ含みます)
個人的には、「シッダールタ」のみ、もしくは「デーミアン」の組み込みだけでも相当のメッセージ性や必要な注釈があると思われるので(例えば"自分"と "自己"・ "自我"の取り扱いなど)、さらにそれ以外の「現代」の描写が散発的に挟まれることで、軸が3つ以上に増えてやや散漫になっている印象を受けた。
また「シッダールタ」原作とは設定が異なっている部分もあり、最後が「愛」という言葉ですべて収束させているように思われるのであれば、それは少し方向が違うのではないかとも思った。