ご縁をいただき、私は少し前から、都内のある乳児院の評議員をさせていただいている。
法人の業務なので直接保育や看護に携わるものではないが、そのおかげで、たまにではあるけれども乳児院という場所に足を運び、こどもたちが遊ぶ情景や、それを見守り養育するプロのスタッフの皆さんの温かいまなざしを見ることができている。
乳児院、と言っても、幼稚園や保育園と違って、日常的になじみがある人はそれほど多くないと思われる。
乳児院というのは、
児童福祉法第37条に規定された児童福祉施設であって、何らかの事情で家庭での保育が難しい乳幼児(主に乳児)を養育することを目的とする。
昔は戦災孤児や捨て子が主であったというが、今は虐待が多いという(参考:下記、全国乳児福祉協議会リンク)。その他、家族の病気や経済的理由など、さまざまな事情で親や保護者が家庭でこどもを育てられない場合に、こどもたちは児童相談所などを経て乳児院に預けられ、そこで24時間生活することになる。
また、こどもたちがずっとそこで生活する施設、ということだけではなく、
一時的にこどもを預かるショートステイ、
いわゆる子育て広場(昨今はコロナ禍でどこでも開催が難しくなっていると思われるが)、
さらには里親制度に関わる機能も併せ持つことがあるなど、地域の子育て支援としての役割が大きい施設であると言える。
であるから、乳児院は、こどもたち(赤ちゃんたち)にとって安心できる"おうち"であって、
さらには、こどもたちと離れて暮らすことになる親や保護者、また子育てをする地域のことも、乳児院はケアし、サポートしているのである。
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お世話になっている乳児院のY理事長が、少し前の東京新聞で、乳児院が取り上げられている記事を紹介して下さった。
〈変わる乳児院・前編〉産後うつの私を救ったのは乳児院 一人で頑張りすぎて…「もう限界」
ここでは、ワンオペで心身がダウンしそうになったお母さんが、保育園のママ友つながりで乳児院へとつないでもらい、「子どもショートステイ」を利用して、産後うつの状態であった自身の体調を回復させ、また元気にお子さんと生活できるようになるまでが紹介されている。
乳児院にはさまざまな状況の子どもが生活しており、それぞれの背景に応じて、きめこまかな対応や養育が必要になる。そのために、保育士、看護師、心理士、医師(嘱託医)、栄養士、また行政、福祉、精神保健の専門家、さらには地域のボランティアなど、大勢のスタッフが関わって、大切なこどもたちに愛情を注ぎながら、個別的に関わっている。
子育ては大変なプロジェクトであり、育てる方の事情や体調だっていつも安定しているわけではないのは当然だ。
「ちょっと大変だ。。。こどもがかわいく思えない・・・」とか、「子どもの世話ができない・・・疲れた」・・とか、「自分が病気になって入院しなくちゃならないんだけど、どうしよう・・・」とか、
そんなときには、もしかしたら乳児院が何かの助けになれるかもしれないので、よかったら相談してみては。
Y理事長、K施設長、皆様、ありがとうございました。
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