先日、CareNetのニュースで紹介されていた論文。
タイトルは、直訳すると「危機的状況下における絶滅回避のための閾値妊孕性」という感じか。
Cuaresma DCN, et al. Threshold fertility for the avoidance of extinction under critical conditions. PLoS One. 2025 Apr 30;20(4):e0322174. doi: 10.1371/journal.pone.0322174. PMID: 40305458; PMCID: PMC12043152.
先進国では少子化が進んでいるが、人口維持に必要とされる出生率2.1(女性一人あたり2.1人の子ども)では不十分な可能性があるとのことで、
本研究では、確率論を用いた試算が行われた。
その結果、
絶滅を避けるためには出生率が2.7を超える必要があるという結果となった。
つまり、出生率2.1が達成されたとしてもその集団は絶滅する。
と、本研究では述べられている。
Discussionではさらに、
"言語もまた絶滅の危機に直面しており、世界で話されている6,700以上の言語のうち、少なくとも40%が今後100年以内に消滅する恐れがある。言語の消滅は、文化、芸術、音楽、口承伝統の消滅につながる "
と議論されている。
ただし、
もちろん本研究で得られた結果は、さまざまな仮定を含むモデルであって、
ヒトの移動、密度、環境など、異なる条件を用いてのさらなる検討が必要であろう、とも述べられている。
なのでまだ今後とも検討と対策を続けていくことが必要だろう。
さすがに我々は数が多いので、今日明日といったすぐには絶滅しないであろう(であってほしい)。
ではあるが、
次の世代、そしてまたその次の世代に、
安全で清潔で人々に善意があり、科学や人類の叡智が尊重され、すこやかに子育てのできる環境をつなげていくために、
今を誠実に生き、
困難な時代の中でもこどもを産み育て、あるいは明日の夢に向かって頑張っている若い世代の皆さんを、
後ろから支えていく存在でありたいと思う。
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