2025年5月31日土曜日

人類絶滅を避けるために

先日、CareNetのニュースで紹介されていた論文。

タイトルは、直訳すると「危機的状況下における絶滅回避のための閾値妊孕性」という感じか。

Cuaresma DCN, et al. Threshold fertility for the avoidance of extinction under critical conditions. PLoS One. 2025 Apr 30;20(4):e0322174. doi: 10.1371/journal.pone.0322174. PMID: 40305458; PMCID: PMC12043152.

 PubMed

先進国では少子化が進んでいるが、人口維持に必要とされる出生率2.1(女性一人あたり2.1人の子ども)では不十分な可能性があるとのことで、

本研究では、確率論を用いた試算が行われた。


その結果、

絶滅を避けるためには出生率が2.7を超える必要があるという結果となった。

つまり、出生率2.1が達成されたとしてもその集団は絶滅する。

と、本研究では述べられている。


Discussionではさらに、

"言語もまた絶滅の危機に直面しており、世界で話されている6,700以上の言語のうち、少なくとも40%が今後100年以内に消滅する恐れがある。言語の消滅は、文化、芸術、音楽、口承伝統の消滅につながる "

と議論されている。


ただし、

もちろん本研究で得られた結果は、さまざまな仮定を含むモデルであって、

ヒトの移動、密度、環境など、異なる条件を用いてのさらなる検討が必要であろう、とも述べられている。

なのでまだ今後とも検討と対策を続けていくことが必要だろう。


さすがに我々は数が多いので、今日明日といったすぐには絶滅しないであろう(であってほしい)。

ではあるが、

次の世代、そしてまたその次の世代に、

安全で清潔で人々に善意があり、科学や人類の叡智が尊重され、すこやかに子育てのできる環境をつなげていくために、

今を誠実に生き、

困難な時代の中でもこどもを産み育て、あるいは明日の夢に向かって頑張っている若い世代の皆さんを、

後ろから支えていく存在でありたいと思う。





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