2024年2月20日火曜日

「患者が油断しがちな健診結果の項目とは」

たまたまケアネットを眺めていたら、ちょっと前にこんな記事があったのに気づいた。

患者が油断しがちな健診結果の項目とは[ケアネット]


自分も健診で(→前のブログ記事)、心電図の結果について「要精密検査」と書かれたため、いそいそと(違う)精密検査を受けてみたところであったので、

この記事はタイムリー。

そう、

健診で「要精密検査」とか「要経過観察」とか「要治療」とか書いてあったら、ぜひその通りに注意していただきたいのである。


・・・・

そんなの当たり前では?


と、これを読んで下さっている皆様は思われるかもしれませんが、


いや、


みんな健診結果のコメントとかあんまりちゃんと読んでなかったりしますよね!?


そうなんです。

健診とか人間ドックを担当していると、往々にして実感しがち。

「去年もこの異常があって、〇カ月後に再度検査を受けて下さい とコメントが書いてありましたね」

とお知らせすると

「え? 知りませんでした」

と言われることがしばしば。

それならまだ良くて(良いのか?)もっとあるのが、「精密検査を受けて下さい」「治療を受けて下さい」がスルー


上のケアネットの記事にもこう書いてあるように↓

3人に1人が健康診断の二次検査を「既読スルー」している現状であることが明らかになった。(以上引用)

そう、既読スルーなのである。健診結果表に、スタンプ押したくなりますね(違う


さて、上記の記事によれば、

この二次調査の結果によると、健康診断または人間ドックにおいて、心臓病・腎臓病・糖尿病に関わる検査項目の中で1つでも異常所見が指摘された人のうち、約3人に1人(38.2%)は「二次検査」を受診していない項目があり、その理由には「現時点での緊急性/必要性を感じないから(35.8%)」が最も多く、次いで「自覚症状がないから(24.0%)」が挙がった。とくに心電図検査でこれらの回答がやや多かった。(以上引用。一部脱字修正・強調は筆者)


ぬぬ。やはり「心電図検査」のスルーが一番多いのか。

まあ私もそうであったが、自覚症状がない場合にはあまり意識されないのは確かかも、ですね。

とは言え、コトは心臓に関わる。ぜひスルーせず、書かれたコメントに沿って、循環器内科(もしくはお近くの内科)で指示通りにご相談いただきたいと思う。


あと健診やドックをやっていて個人的に感じるのは、「便潜血検査」での「要精密検査」もスルーされがちなのではないかという印象。

便潜血が陽性=便に血が混ざっている=腸管に何かしらの異常が起こっている

と考えられるわけであるが、

「その時、たまたま便秘だったから」「もともt痔があるから」「生理期間に近かったから」

でスルー。

もしくは、もう1回同じ便潜血検査をやって「今度は陰性だった」で安心してスルー。


いや、便秘だろうが痔だろうが生理だろうが、大腸がんはそれとは別に心配すべきもの。

あと、大腸がんは出血というサインをずっと出し続けてくれている(?)わけではないので、2回目3回目の便潜血検査が異常なしだったから安心できるわけでもない。


大腸内視鏡検査を避けたい気持ちも(私がずっとそうだったので)理解できるけれど、ただ一方で、若くても大腸がんが発見される方も折々診ているので、便潜血陽性という結果があったら、必ず一度は大腸内視鏡検査を相談していただきたいと思う。一緒に仕事してきた内視鏡専門医の先生も、そのように強調されていた。

ということで、いつも言っているけど、健診は情報の宝庫。受けっぱなしはもったいないです。ぜひ活かして下さい。


夏に某所で労働衛生に関する講演をさせていただく予定となったので、働く皆様の健康のため、このテーマに触れることにしようかな(考え中)。



0 件のコメント:

コメントを投稿

人気の記事