2025年8月9日土曜日

【recri】タカハ劇団「帰還の虹」@座・高円寺

初めてタカハ劇団の公演を観た。
高羽彩さんが脚本・演出・主宰をつとめるユニット。

今回鑑賞したのは、recriの「おすすめ」として提案された、「帰還の虹」という演劇作品。


第二次大戦中の日本を舞台に、いわゆる「戦争美術」「戦意高揚画」に関わっていた「大御所」の画家と、彼をとりまく画家仲間や家族・周囲の人々、そしてそこに入り込んでくる一人の画学生。

座・高円寺も今回初めて訪れたところ。
高円寺駅北口から歩いて数分。

座・高円寺。

入り口。


座・高円寺の地下は、ちょっとしたポスターギャラリー。


戦争は、日常の続きとして侵入し、そして気付かないうちに日常を塗り変えていく。

自分の芸術とは何か、
描きたい絵とは何か、

それを押し込めて、生きるために描く。
また、死から逃れるため、苦しみから遠ざかるために、絵を"使う"。

そんな人々と、その渦に抗おうとする人々の物語。

圧巻であった。

高羽さんのオリジナル脚本は緻密に構成されていて、

あ、これは画壇の⚪︎⚪︎氏をモチーフにしているんだな、とか、この絵はあの作品をモチーフにしてるのかなとか、ここはきっとこんな絵なんだろうな、とか想像したり、

以前に東京近代美術館で見た実際の「戦争画」が脳裏に浮かんだり。

どの登場人物にもなんらかの視点で感情移入ができるし、

月並みな言い方だが役者さんたちの熱演が素晴らしかった。

日本も「戦後」でのみあった時代から、すでにいくつもの戦争を目撃し、あるいは現在進行形で巻き込まれ、今後は戦争当事者になるかもしれない時代へと変化していると思える昨今。

その中で、芸術とどう向き合うか、芸術ができることは何か、生きることにとって芸術はどのような目標点となりうるか、

といったことを考えさせられる契機となったように思える。

最後の「虹」が印象的だった。



(余談)
実は、これまでにもいくつもここで投稿してきたチケットのサブスクrecriに、最近システムの「アップデート」があった。かなり変更になった印象があって当初とまどったし、その後いくつかrecri側からの対応があったりしたところを見ると、おそらくアップデート直後にはやはり既存ユーザから多くの不満があったのではないかと推測。
私も、どうしよう解約するか?と考えていたりするのであるが、まあ今回のようにこういう出会いがあったりするので、もう少しだけ様子をみようか・・と思っているところである。
今後どうなるかはまだわからないけれど。


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