三軒茶屋のシアタートラムで、「キャプテン・アメイジング」を観てきた。
英国の劇作家アリスター・マクドウォールさんによる作品で、田中麻衣子さんの演出。
そしてこの作品、一人舞台なのである。
近藤公園さん、田代万里生さん、松尾諭さんのトリプルキャスト。
もうこれは、どの回も魅力的すぎる!
3人の舞台をそれぞれ観られればいいのにな!!
・・と思ったりしたが(実際トリプルキャストセット券もあったし)、やはり時間的になかなかそうも行かず(涙)、
迷った末、結局、土曜日である今日、松尾諭さん回のチケットを取ったのであった。
シアタートラムは例によって箱が小さく、今日は満席。というか立ち見が出てました。さすがだ。
シアター入り口
松尾さん回の立て看
どこにでもいそうな、ちょっと冴えない感じの、ホームセンター勤務の男。
しかし赤いマントを羽織った彼、マークは、
みんなのヒーロー、キャプテン・アメイジングなのである。
彼のまわりには、スーパーヒーロー界の同業者たち(!)や、妻となる女性、そして娘など、多くの登場人物が現れるのだが、
舞台上にいるのはたった一人の俳優。
その一人が、
表情、声、まなざし、動きなどで、
"お互いに"対話し、愛し合い、あるいは争って、物語や時間を進めていく。
観客は一人の俳優を通して、父と娘の成長を、そしてその行末を、リアルタイムで目の当たりにするのである。
現実と夢(?)が交錯する、文字通りアクロバティックな戯曲は、圧巻であった。
私たちは何を観たんだろう。
娘の成長、それともマークの?
ヒーローは実在するのか、それともいつもここにいる?
わたしたちひとりひとりも空を飛べるだろうか?
あっという間の展開であったが、あとでじわじわ沁みてくるような作品。
演技の力はすごい(そして体力もすごい)と実感できる舞台であった。
やはり3人の解釈や実際の演技はそれぞれ違っていたとのことで、トリプルキャストの面白いところ。
東京公演は明日までですが、今月下旬には愛知公演もあるらしい(間が開くので、膨大なセリフはいったん全て忘れるとか、ポストトークで松尾さんが話していた)ので、もし機会がありましたらぜひ。
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