映画「教皇選挙」を観てきた。
まさか現実のコンクラーベが、この映画の公開と時期を同じくして行われるとは誰も予想していなかったであろうが、
そのために大変な注目を集め、連日大勢の観客が引きも切らず押し寄せているこの映画。
上映期間も延びたし、上映館も当初より大幅に増えているようである。
ゴールデンウィークに観ようとしたものの満席ばかりで予定が合わず、
その後忙しくなり、ようやく今日観ることができたのであるが、
日曜日とは言え相変わらず混んでおり、ほぼ満員だったようだ。
アカデミー賞で作品賞を含む8部門ノミネートされ、「脚色賞」を受賞したこの作品。
ローマ教皇とは、
”ローマの司教、
イエス・キリストの代理者、
使徒たちのかしらの後継者、
普遍教会の最高司教、
イタリア首座司教、
ローマ管区首都大司教、
バチカン市国元首、
神のしもべたちのしもべ。”
世界のカトリック教会の頂点に立って信徒を、そして世界を導く教皇。
任期は、基本的に終身。
この映画は、現職のローマ教皇が突然亡くなり、急遽、世界中から枢機卿が集まって、閉ざされた空間の中で「コンクラーベ」(教皇選挙)を行わなければならない状況から始まる。
その選挙を取り仕切ることになるのが、主人公のローレンス枢機卿。
システィーナ礼拝堂に集まる、100人超の枢機卿たち。
厳粛に信仰に生きる人々・・であるが、そこにはやはり思惑、牽制、交渉、疑惑などが・・。
そして彼らが数日間、隔絶された状況で選挙を行うため、周囲との連絡や食事などの生活のサポートをする多くの人々やシスターたち。
ローマやバチカンを訪れても、あるいはテレビや動画配信で「コンクラーベ」のライブを見ても、
決して我々は見ることのできない景色、風景がスクリーンに現れる(でもセットなんですよね? すごい)。
以下、ストーリーはネタバレになるため書けないが、
感想としては、
たしかにこれは、ドキュメンタリーや再現映像ではなく、
作り込まれた映画だな、
と感じた。
もちろん現実のコンクラーベは我々が体験することのできないものだが、
この作品には、おそらく現実にはほとんど起こらない(はずの)どんでん返し的な仕掛けがいくつも用意されている。
ありえない、それはない、
と(私には)思えるような仕掛け。
おそらく、教会の現状や課題を盛り込んであるのだろう。そしてそこには必ずしも「答え」はない。
なので「面白かった!!」というより、私は「考えさせられた」。
信仰とは、教皇とは、
グローバリズムとは、多様性とは、・・・
興味のある方は、(コンクラーベに関する基本知識を除き)映画の前情報はなるべく入れないで(ネタバレ防止のため)観に行くことをお勧めします。
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