たまたま古本で見つけたムック本。
2019年発行、きれいな状態だけどタダ同然だった。掘り出し物だったかも。
[Amazon]聖母マリア 聖書と遺物から読み解く (ナショナル ジオグラフィック 別冊) ムック
ユニークな本である。
表紙に書かれた文字のごとく、単に「キリスト教(カトリック)信者にとっての聖母マリア」の賛美というわけではなく
聖母マリアは歴史上、最も有名な女性の一人であり、純潔の鑑とされている。だが私たちは実際、イエスの母となったミリアムという名のユダヤの少女のことを、どのくらい知っているだろうか。(後略)(「はじめに」より)
と述べられている通り、
この本にはマリアの生涯(無原罪の御宿リから被昇天についてまで)についてはもちろん、マリアが生きていた古代(紀元前)の時代の女性の働き方、風俗、ローマ帝国の版図などが描かれており、
「ミリアム」という名前のユダヤ人の少女(ミリアムはヘブライ語で、アラム語化したものが"マリア")の、思いがけない生涯と壮大な歴史について、豊富は図版とともに思いを巡らすことができる。
また興味深いのは、世界各地におけるマリア出現である。
ルルドやファティマについてはよく読んだりするが、その他にもこれほど多くの「マリア」が世界中で目撃されていたとはちょっと驚くばかりだった。この件については、本書の最後に書かれている一文が秀逸な解説を加えている。
人間として見れば、過酷な戦乱の時代に小さな村に生まれ、生き、子供を育てるが残虐な方法で先立たれ、
そしてやがて世界中の崇敬を集め、あらゆる芸術にその足跡を描かれることになった一人の女性。
誠実に、そして懸命に生きる生涯は、誰のものであっても尊敬に値し、次世代に何かを遺していくのであろう。
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聖母マリア 聖書と遺物から読み解く (日経BPムック ナショナルジオグラフィック別冊)
価格:
1,540円
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