2022年8月4日木曜日

中村圭志著「宗教図像学入門」

「宗教図像学入門」読了。

中村圭志著:宗教図像学入門[Amazon]

図像学には以前から興味があり、最近(昨年)この新書が出たと知って、とりあえず購入。

しばらく前に読み始めたのであるが、

内容がものすごく多い、というか幅広い(良い意味で取り散らかってる)のですらすらと読めず(ん?今のは?・・と思って読み返したくなってしまうため)、読み終わるのにわりと時間がかかったのであった。

新書のカバーには、

「知るほどに面白い『神』教養」

とのコピーがあり、

その周りに「なぜ『魚』がキリストの象徴なのか」とか「天使と仁王の共通点」とか、

某、知らないと言うと女の子に叱られる系の番組に出て来そうな(いやちょっと違うか・・・)ソボクな疑問がちりばめられてある。書店で平積みされているところを見たら、こういうのが刺さる人はそのまますぅっとレジに持っていきそうな(はい私です)。。

なにせ、「宗教」と名のつくものをかなり広く網羅してあって、それぞれの図像のうんちくが図入り(惜しいことに白黒ではあるが)で説明されているので、読み物というよりは図鑑、カタログ、的な構成になっている。であるから、どこから読んでも、拾い読みをしても良いと思われるし、例えば観光や美術館に行く前などに該当の箇所を斜め読みしても、なるほど!と思えるであろう。

宗教の教義そのもの(法輪とか三位一体とか)から始まり、開祖・聖人、「神々のバリエーション」(聖母とか天界とか)、儀礼や修行、聖なる空間(聖地や各宗教施設)、そして畏怖や「怪獣」、死と終末(臨死体験の話も!)の概念まで。

これらが網羅的に、それぞれの図版とともに記述され、まとめられている。よく目にする図像もあれば、「何それ」というものも多い。繰り返しになるが、個人的にはぜひカラー図版の書籍(新書でもいいです)が欲しかったが、そうすると値段が上がるのと、ごく一部、R指定がつくかもしれない図像もあると言えばあるからなあ(※個人の感想です)。でもカラーで見たいなあ。電子書籍でもいいので。

ともあれ、一つ一つの項目について深く知りたいのであれば他の文献が詳しいと思うが、全体を通して知識を得たいというのであればうってつけな一冊であるように思う。



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