健康診断を受けて、そのままにしている方はいらっしゃいませんか。
・・・・
いや、いるはず(確信
これを読んで下さっている方も、
健診でちょっと何か引っかかっても
「まあたまたまその日は緊張していて血圧が高かっただけだから」
とか
「便潜血陽性? 便秘がちだから、今回はたまたまちょっと切れちゃったみたいです」
とか
「肝機能? いや前はもっと悪かったから。ガンマジーティーピー?とか300以上だったから。今は200? エーエルティーも高い? ・・まあ少しは下がったからいいんじゃないですか」
とか、
思っていらっしゃらないでしょうか。
上記は、健診を担当しているスタッフが、しばしば受診者の皆様から言われることなのです。
皆さん、例えばですが、「白衣高血圧」を免罪符にしすぎてはいませんか。
医療機関で測定すると、緊張のため血圧が高くなるのが「白衣高血圧」で、
それが本当に医療機関や健診での測定だけで高い(自宅では本当に正常血圧)なら様子をみていいのですが(でも引き続き、血圧に気を付けていただきたいのですが)、
健診でさらに高くなってるのは確かだけど、そもそも自宅でも高いのなら、
おまえはもう高血圧だ(北斗の拳のケンシロウの声で)
と言いたくなる(小声で)こともあります。いやケンシロウは無理ですが。ってそこじゃない。
なぜ、健診で言われたことを放置していてはいけないのかと言えば、
健診というのは、現状把握であるとともに「今から近い将来を予測する」というツールでもあるからなんですね(私見)。
血圧が高い状態がずっと続いていけば、そのうち心筋梗塞や脳卒中を発症するリスクが高い、ということとか、
あるいは、
便潜血陽性を「痔だろう」と放置していて、次の健診でまた陽性になってようやく来院したときには、すでに治療の難しい進行した大腸がんだった若い人の例とか、
そのような実例、あるいはデータ、エビデンスを、医療従事者は身に染みて知っており、
そのために人間ドック学会などの機関が、さまざまに検討して、健診で「要再検査」「要経過観察」「要精密検査」「要治療」などの線引きをしているからなのです。
もちろん、健診結果を知ってからどう行動するかはその方の価値観であり、
検査結果がどうであろうとも、このままだと病気になりますよと言われても、自分はこれで良い。
という方であればそれは良いのかもしれませんが(であるのなら健診を受ける意義は・・)、
あなたの健康、あなたの生命は、あなただけのものではないのですよね。
一家を支える働き手が、予測できるはずの心身の異常で倒れ、それが実はずっと前から本人には健診で指摘されていたことで、早く対応しておけば十分に改善可能であった、というような場合には
周囲の方の思いはどれだけ残念かと。
ということもあり、
せっかく健診を受けて下さったのであれば、何かひっかかったら、あるいは何か心配があれば、遠慮なく二次健診を受けることを強くお勧めします。
健診結果を持参の上で外来に相談にいらして下されば、外来の担当者(医師、看護師、菅理栄養士、リハビリスタッフ、薬剤師などなど)は、さてどうやって今後の健康を保っていただこうかと知恵をしぼります。
そしてあなただけの、健康を守るための「チーム◎◎」ができるはず。
ぜひ、健診という機会を活かして下さいね。
さて、二次健診の仕組みとして、労災保険の「二次健康診断等給付」という制度があります。
これは、職場の健康診断で、
「ちょっとこれやばい、心臓や脳が危険にさらされている」
と判断される方に、無料で二次健康検査や、病気予防のための特定保健指導をお受けいただける制度です。
受診できるのは年度内に1回、指定の医療機関での受診となります。
制度を利用できる方はぜひ利用して、受診していただきたいと思います。
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