recri (特典付き入会リンク) から提案された演劇「モンスター」を観てきた。
新国立劇場小劇場にて。
フォトスポットには、タイトルイメージの衣装の展示が。
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この衣装は、劇中のものとは違います |
戯曲は英国の劇作家、ダンカン・マクミランによるもの。
両親が教師だったというマクミラン。その体験から創ったというこの作品は、
いわゆる「手のつけられない」ティーンエイジャーと、
この生徒を担当することになった教師、
そして生徒の祖母と教師の妻、という登場人物による4人芝居。
客席に着いてみると、これから何が始まるんだろう?という、ちょっとした緊張感をもたらす舞台装飾と音楽。
くっきりした色彩・ポップなサウンドではあるのだが、劇が始まる前から、観客の神経は変な風にちょっとざわつく。
その"緊張感"は、芝居が始まってすぐ、我々の前に現れる。
ネタバレになるので以下詳細は省くが、
途中、休憩を挟んで約2時間半。
客席は、キリキリと締め付けられるような緊張感に包まれ続ける。
休憩に入った時、近くにいた2人連れが「…重い…」と呟いていた。
そう、重いテーマだ。
そこには学校の問題だけでなく、精神科的、心理的問題、人種や社会、そして夫婦の軋轢、家庭環境の問題など、
そこに内在し、戯曲作家が提示しようとしたテーマは多彩かつ絡み合っていて、
観ている者は身動きが取れない中でナイフを突きつけられるよう。
個人的には、その帰結が明らかにされないアルコールの問題が不安になったのだが、それも多分脚本家の計算。
役者4人の熱量と演技力に圧倒される。そしてシンプルな舞台とシンプルな照明の説得力。
キリキリと締め付けられ、
それでも、最後には安堵感のようなものと、明日へ向かう気持ちを持って、この観劇を締めくくることができる。
良かった。
--------モンスターはだれだ。(プログラム扉より)
小劇場の座席は千鳥ではないが、1階座席の途中からはそれなりに傾斜がついているのでわりと観やすいと思う。前席との間隔もゆったりしていた。
ただしこの劇場は、客席も含め床全体が可動式ということなので、公演ごとに座席配置等を確認してチケット確保する必要あり。
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