「認知症と脳卒中は同時に予防できる」という本が最近発売された。
サブタイトルに「介護にならない最強マニュアル」とある。
どんな本かな、と興味を持っていたところ、著者の内山先生から献本いただきました。
ありがとうございます。
この本である。
ということで早速読んでみた。
目次より、章のタイトルだけを並べてみると、
第1章 増え続ける認知症と脳卒中
第2章 認知症と脳卒中の早期発見法
第3章 認知症と脳卒中の要点
第4章 若年性認知症と若年性脳卒中
第5章 認知症と脳卒中の症状や検査
第6章 認知症と脳卒中の予防法
第7章 最新の知見
となっている。
そして各章に、それぞれの項目について、さらに詳しい小項目が並んでいる。
認知症と脳卒中の多くのタイプについて、それぞれの症状、検査、起こしやすい疾患とその予防や治療、今後の展望までが詳しく説明されている。
読みやすい大きな文字で、図表や画像も多く使われているが、おそらくは何か知りたいことがあればどこかに必ず書いてあるだろうと思うくらい、内容の密度が高い。
そして、ちまたに出回るデマや民間療法は排除されており、すべてが科学的なエビデンスに沿った、確かな医学的情報である。
同僚のK先生もこの本を読まれて、「医療スタッフにも勧めたい」とおっしゃっていた。看護や介護のスタッフの方にも役立つと思う。
これまで、そして現在も、数多くの認知症・脳卒中の患者さんを診察し、研究を続けてこられた内山先生が、この本で書かれている一節をご紹介すると、
"現在、認知症の発症を確実に予防できる薬剤やワクチンは残念ながら存在しません。
認知症の発症を予防できることが証明されているのは脳卒中の予防法です。なぜかというと、認知症の危険因子の多くは、脳卒中の危険因子でもあるからです。"(以上引用)
とある。これは、現在各科診療に関わっている我々医療関係者も同意し、そのために尽力しようと思う内容だ。
読ませていただいて、改めて脳卒中の予防について今後も呼びかけていこうと思うと同時に(※秋から私たちも某所で健康教室を再開する予定なので、またその際にでも!)、
個人的には、この本の最後の方で内山先生が紹介されている「サクセスフル・エイジング」という言葉を、我々も使っていきたいと思った。
私も、前からアンチエイジングという言葉があまり好きでなく(そのせいで(?)抗加齢学会もやめてしまったのですが)、
"良い人生を過ごして天寿を全うするという意味(以上引用)"の「サクセスフル・エイジング」。これはぜひ、自分もそうでありたいし、周囲の方々にも目指していただければと思う。
こころもからだも自分なりに元気で、自分なりに自由に過ごしながら老後を過ごしていければ。
・・・ってそのためには、ちょっと運動不足が過ぎるな(汗)>自分
専門的な内容も含まれるので、ちょっと難しいと感じる方もおられるかもしれないが、おかかりの主治医や地域保健、産業保健に関わるスタッフと皆さんとのコラボで健康づくりや体力維持にトライしながら、この本の内容をぜひ参考にしていただければと思う。
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