年末に来ていたnarure medicineのeAlertのメールを(今頃)開いてみたら、”今年注目の臨床試験”の記事があった。
ダイジェスト記事ではあるが、ちょっと興味深い。
Nature Medicine: 11 clinical trials that will shape medicine in 2023
このうちPhase 3のものとして、
・パーキンソン病に対するexenatide(GLP-1様作用をもつ抗糖尿病薬)、
・アルツハイマー病に対するlecanemab(アミロイドß蛋白に対する抗体:エーザイの薬)、
・HIV感染患者に対するCOVID-19ワクチンmRNA-1273(モデルナ)、
・プラチナ抵抗性卵巣癌に対する抗FRα抗体薬物複合体(ADC)(mirvetuximab soravtansine)、
と並んで、
・Diet and exercise(低カロリー地中海食と、身体活動および行動サポートが、肥満とメタボリックシンドロームを抑制するか)
という臨床試験が挙げられている(PREVIEW studyのことか?)。
記事の解説に、
「これまで、エネルギー(カロリー)を少なくした健康的な食事と身体活動によって減量し、体重を維持することが、過体重や肥満の人の心血管疾患のリスクを下げることを証明した報告はない」
「アメリカで、糖尿病患者を対象に行われたLook AHEAD試験は、長期間の体重減少においては介入により有意差を示したものの、約10年間の追跡調査で、心血管疾患と死亡のリスクの減少には効果がみられなかったため中止となった」
と述べられている通り、
単に「体重を減らす」だけでは健康につながるとは限らないのである。
地中海食自体がどうなのかは今は置いておくとして、ヒトの体は、食べること、動くこと、そして寝ることを基本としてできているし、その上に感情豊かであること、他者と交流すること、がさらに心身のコンディションを「整える」ように思う。
臨床試験の結果を、関心を持って見ていきたい。
今年も多くの治験が行われ、たまに新薬ができるだろうし、それ以外にも健康に関して膨大な研究や努力のもとに、多くの貴重な知見が得られることと思う。もちろん、COVID-19についてもだ(今年新たに"COVID-23"になりませんように・・・)。
上記を初めとして、世界中で行われている臨床試験の報告を、今年はできるだけ幅広くキャッチしていきたいし、
きわめて微力ながら私自身も、医学や医療の進歩と人々の健康づくりに、ほんの少しでも貢献できるようでありたい、
と心に思う新春である。
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