プレゼンティーズム・アブセンティーズムという言葉をよく聞くようになった。
これは経済産業省が推進している「健康経営」に関連する話の中で出てくるキーワードである。
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「健康経営」とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。(経済産業省:健康経営 )
●健康経営とは、従業員等の健康保持・増進の取組が、将来的に収益性等を高める投資であるとの考えの下、健康管理を経 営的視点から考え、戦略的に実践すること。
●健康投資とは、健康経営の考え方に基づいた具体的な取組。
●企業が経営理念に基づき、従業員の健康保持・増進に取り組むことは、従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や組織としての価値向上へ繋がることが期待される。
(「健康経営の推進について」令和3年10月 経済産業省 ヘルスケア産業課 より引用)
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というわけで、
てっとりばやく言えば、企業として従業員の健康を守り増進するようにしていきましょう、そうすれば御社の経営にも良い効果がありますよ・・という取り組み(多分)なのであるが、
そこで問題になることの一つが、冒頭の「プレゼンティーズム」「アブセンティーズム」である。
プレゼンティーズム(プレゼンティーイズム;presenteeism)とは、
ある事業所の従業員が、出勤はしている(present)ものの、心身のなんらかの不調があるために、パフォーマンスが落ちている状態のことを指す。
これに対してアブセンティーズムabsenteeismは、心身の不調のために欠勤・休業している状態を指す。
そして実は、
アブセンティーズム、すなわち欠勤・病欠している状態よりも、
プレゼンティーズム、すなわち、不調をおして出勤している状態の方が、むしろ企業にかかる健康関連コスト(費用)が大きいということが明らかになったのである。
なんと数字で見れば、この「プレゼンティーズム」「アブセンティーズム」による企業の健康関連コストは、実際の医療にかかった費用である「医療費」の数倍の負担になるという。
参考:厚生労働省「コラボヘルスガイドライン」H29年
「データヘルス・健康経営を推進するためのコラボヘルスガイドライン」を公表します
みんなが「調子悪いけど休めないから・・」と無理して出勤している状態は、かえって経営に対する負担になっているかも、ということなのですね(いきなり”ですます調”に)。
なので、欠勤や休業についての対策・サポートももちろん大切であるけれども、それに加えて
「不調をおして出勤している人」に対してもケアや対策をしっかり考えていくこと、
すなわち、プレゼンティーズムによるパフォーマンス低下をどのようにくいとめ、生産量や効率を維持できるようにするかということ、
いかに従業員の健康を考え、皆の健康を保持増進していくための「戦略的取り組み」を考え実践していくかということが、
経営面からも重要な方向性である、ということになるのです。
プレゼンティーズムの原因としては、すぐに思いつくであろうメンタル不調の他にも
頭痛や腰痛、生理痛、過敏性腸症候群とか、がん闘病中、とかいろいろありえるわけですが、
例えば不肖私の場合には、毎年、1月末から5月のゴールデンウィークあたりまでは「歩くぷれぜんてぃーずむ」と化しておりますね。
ぜんぶ花粉のせいだ(JR東日本の広告風に)。
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