2024年12月30日月曜日

寝返り回数とパーキンソン病

たまたま日本医師会雑誌の目次ページを見たら、ちょっと面白そうな論文があったので見てみた。福井大学からの報告。

「睡眠中の寝返り回数は、パーキンソン病とその関連疾患の早期発見に有用か?」

Does the Number of Turns during Sleep Have Utility in the Early Detection of Parkinson's Disease and Its Related Disorders?

パーキンソン病(PD)やその関連疾患においては、初期から運動障害がみられ、次第にさまざまな運動機能が障害されていく。

PDでは筋力低下やサルコペニアが多くみられるが、これらは身体能力の低下、そして睡眠中の寝返り頻度の低下と関連していることが報告されている。また、PD患者の約90%が睡眠障害に罹患しているとされる。

以上より本研究では、睡眠中の寝返りの回数が、これらの病態を発見するための早期指標となりうるかについて検討した。

具体的には、PDや関連疾患の患者の寝返り回数を、健康な対照の寝返り回数と比較し、パーキンソン病・関連疾患の早期発見に寝返り回数が関連するかについて検討したというもの。

今回の研究には、90人(33人(36.7%)がPDおよび関連疾患の患者、57人が健常人)が参加。患者群の平均年齢は73.4歳、女性は19人(57.6%)。健常人は平均58.8歳で、女性42人(73.7%)。全体の平均年齢は64.2歳、参加者の67.8%が女性であった。

寝返り回数については、参加者にホテルで宿泊していただき、カメラを用いて観察したという(寝返りをどうカウントするかについては文中で定義されていたので、詳細は原文参照を)。


年齢、生活習慣病の有無、脚の相位角(Phase Angle)(インピーダンス法による筋質評価の指標・・・だと思うのだが、本文中では、どの時点で、どこでどのように測定したのかの記載が見当たらないのですが・・・見落としているのだろうとは思いますが・・・・)なども PDとの関連があると見られたものの、

多変量解析の結果、

・睡眠中の回転数

のみが、パーキンソン病および関連疾患と有意に関連していたという。(患者群で平均1,7±2.6回、健康群で平均16.8±7.1回(P < 0.001))

患者群における寝返り回数のカットオフ値は6回(男性9回、女性で6回)であった。

つまり、この回数より寝返りが少ない場合、もしかしたらパーキンソン病の早期診断に役立つかもしれないと著者らは述べている。


まあ研究としてまだ追加しなければならない情報はありそうだが、ちょっと興味深い。

今回は、思っていたような、活動量計もしくは睡眠計(?)を用いた研究ではなかったけれど、そのうち某ウォッチ関連でのデータも出てきそうな気がする。不整脈検出も追加したりして。


私はと言えば・・多分寝返りはしていると思うが(汗)、なんかこのところ妙な夢を見ることが続いているので、寝返りどころかひっくり返って叫んでいるのかもしれない。夜に。


皆様に、熟眠できる夜と平和な朝が来ますように。


そしてパーキンソン病などの心配があれば、早めに神経内科でご相談下さい。




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