先日、新国立美術館の「テート美術館展」に行ってきた。
テーマは「光 ーターナー、印象派から現代へー」である。

「およそ100点が日本初出展」という。
18世紀の宗教画から現代のインスタレーションまで、
「光」の知覚からその表現技法まで、
そして2次元から3次元表現まで(もしかしたら4次元も?)を俯瞰する、意欲的で魅力的な企画。
そのためか、平日に訪れたのに当日券売り場には行列ができており、展示会場も結構混んでいた(自分は前売券を買っていたので今回並ばず)。もしかして土日祝日は結構大変なのかも。
写真は一部の作品やエリアを除き写真撮影可であったので(動画は不可)、少しだけれど撮ってみた。
ジョン・ブレット「ドーセットシャーの崖から見るイギリス海峡」1871年。
このような風景、きっと現代の私たちも見たことがあるのだけれど、
初めてそこにある「光」に気づかされるような作品。
画面を正面から見れば、水面を照らすやわらかい光が我々に響くようである。
ウィリアム・ローゼンスタイン「母と子」1903年。
画面の右方、窓から差し込む光が、母に支えられて前を見つめる幼い娘を明るく照らし出す。
ピーター・セッジリー「カラーサイクル III」 1970年。
輝く光の色彩が、時間とともに次々に変化する。
思わず足を止めるのが、ペー・ホワイトのインスタレーション「ぶら下がったかけら」2004年。
これは糸と紙片なのだそう。広い空間の作品であるが、実体は小さいわけである。
どことなくふわふわとしていて、個体なのか集団なのか、ゆらゆらと映し出される光と影。
展示の最後には、オラファー・エリアソン「星くずの素粒子」2014年。
写真だと大きさが伝わらないが、これはとても大きく、回転しており、会場の空間と鑑賞者とを光で包み込むようだ。
アートは光のなかにあって光を創り出し、
そして我々もアートに光を見つけ、光の中にいる。

見ごたえのある展示であった。
いつか、ロンドンのテート美術館も訪れてみたいものである。
新国立美術館の3階から階下を眺める。
0 件のコメント:
コメントを投稿