ずっと見損ねていた映画「RENT」を観た。
「RENT」は「家賃」という意味。同名のブロードウェイ・ミュージカルを映画化した作品である。
いや、良かったです!!
このミュージカルは、プッチーニのオペラ「ラ・ボエーム」をベースにしている。
「ラ・ボエーム」の方は、19世紀のパリが舞台。
屋根裏部屋に暮らす貧しい、けれど夢や希望を持つ若者たちが登場する(でも結末では悲劇が待つ)、美しいオペラなのであるが、
RENTは、それを20世紀・1989年のニューヨーク、マンハッタンのイーストビレッジに置き換え、
ストーリーも、ラ・ボエームを下敷きとしつつ(いずれもクリスマスイブから始まるし、ヒロインのダンサーの名前は"ミミ"だし)、現代的な諸問題、格差社会、貧困、HIV、ゲイやバイセクシュアル、マイノリティなどを当事者のこととしてリアルに描きつつ、
苦難や悲しみを抱え、それでも明日に向かって歩き出す友人たちの姿を描いている。
逆に言えば、ラ・ボエームを全く知らなかったり、同性愛やエイズ、麻薬などの描写に抵抗があったりする場合には、楽しめない部分があるかと思われる。
どの登場人物も愛すべきキャラクターだが、特にドラアグクイーンの「エンジェル」が初めてビルに来るところのダンスには度肝を抜かれた。なんでも、このミュージカルでやたら「テーブルの上に乗りたがる」のは、舞台の演出の名残(?)だそうなのだが、それにしても皆さんよく狭いところであれだけダイナミックに踊れるなあ。さすが。
音楽も、ロックありゴスペルあり、タンゴまで(!)。
このミュージカルを作った監督のジョナサン・ラーソンは、1996年、念願のオフ・ブロードウェイでの公演初日の開演直前に急逝した。それによりこの作品は”伝説”となり、RENTの上演・上映の最後にはThank you Jonathan Larsonというクレジットが表示されることになっている。
登場人物が全員並んで歌う「Seasons of Love」も好きな歌だ。
Seasons of Love - Rent (Music Video)
友達っていいなあと素直に思う。
今年は舞台版を見逃したけれど、今度公演があればぜひ観に行きたい。
0 件のコメント:
コメントを投稿