今更ながらであるが、湊かなえの「母性」を読んだ。
2015年の作品で、2022年に戸田恵梨香さん主演で映画化されている。
この小説の紹介文には、こうある。
"女子高生が自宅の中庭で倒れているのが発見された。母親は言葉を詰まらせる。「愛能う限り、大切に育ててきた娘がこんなことになるなんて」。世間は騒ぐ。これは事故か、自殺か。"(以下略)
"愛能う限り大切に"・・・。
母が、子を、愛能う限り大切に育てるとは、どういうことなのか。それが「母性」ということなのか。そして、子はそれをどう受け止め、どう応えるのか。
この物語では、何組かの母子が描かれている。いわゆる「血の繋がった」実の親子である。
それらの物語が、時間軸を追い、また交錯するのであるが、中心となっているのが主人公(というのか)である「母」、そして主人公の母(祖母)と、高校生の娘である。この高校生の娘が、冒頭で「倒れて発見される」のだ。
愛していたのに、愛されていたのに、多分・・・・?
話の構成は面白く、またなんというか都会とは違う(?)あるいは昭和のような(?)、でも最近でもこういう状況ってあるんだろうなあという設定にも感じられ、わりと一気読み。
ではあるが、
個人的には、
読後、なんとなくもやもやした感じが残った。いわゆる「イヤミス」というのではないのだけれど。
絵、詩、宗教、教諭・・・など、「そのプロットはどこで回収されるのか」がはっきりしない設定が多く、ちょっと盛りすぎでは?と。あと「それはないだろう・・・」というところも。(書くとネタバレになるので書きませんが)
でもスリリングで、確かに面白かったので、時間があればおすすめである。
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