2023年10月22日日曜日

アサーション

このところいろいろ重なってめちゃくちゃ忙しかった。

週末、なんとか少し一息ついたのだが(とか言いながらコロナワクチン7回目を接種しに行ったりしていたが)、

先日、産業医の衛生講話で「アサーション」についてのお話をしたので、その時に作ったハンドアウトから抜粋して、ちょっとしたキースライド(?)的なものを作ってみた。


ちなみにこのスライドデザインはPowerPointの自動デザインである。

アサーション、もしくはアサーティブ・コミュニケーションとは、

相手の立場や意見も尊重しながら、自分の言いたいことを言えるコミュニケーション。


そんなの当たり前では?


と言われるかもだけど、実はこれが簡単ではないことが結構ある。


「あの本、貸したんだけど返ってこない・・でもあの人怖いから、どうしよう・・」とか

「仕事を頼まれたけど、今、私の方も忙しいので困った・・」とか


どういうふうに話したらいいのか困る場面って、誰でも心当たりがありそう。


そういう時に、どういうふうにコミュニケーションを取るか。

それを考えるのが、アサーションのスキルなのである。


ひとのコミュニケーションのスタイルには3つあると言われていて、

・相手を尊重せず、強く自己主張するタイプ・・アグレッシブ(攻撃的)

・なかなか相手にものが言えず、自分を抑えて相手に合わせてしまい、不満がたまって

しまうタイプ・・・ノンアサーティブ(非主張的)


上記2つは、コミュニケーションを取る場面で、双方のストレスがたまりそうである。


それに対して、

・自分も相手も尊重し、気持ちを正直に表現しながらコミュニケーションがとれるタイプ・・アサーティブ


であれば、双方、前向きなコミュニケーションができるであろう。

その場の状況、相手の立場を理解しつつ、自分の言いたいことをしっかり伝えることができるコミュニケーションが望ましい、ということなのだ。

とは言え、
「自分はそんなに攻撃的な人じゃないから」と思っていても、場面によって実は攻撃的になっているということもありうる。
例えば、上司に対してはおとなしい(ノンアサーティブ)だけど、部下にとっては厳しい(アグレッシブ)とか。

なので、まずは自分が普段どのようにひとと接しているか、それに対して相手がどう反応しているか、そういうことをちょっと考えてみるところから、アサーティブコミュニケーションのスキル習得は始まるのだと思う。


実際のアサーションスキルのトレーニングについてはいろいろな心理学系の文献などで紹介されているので詳細は省くけれど、

今回、いくつかの資料に当たる中で、誰でも、まず「アサーティブコミュニケーション」についておおまかに知りたい場合に読みやすく、わかりやすいと思った一冊が

戸田久美著「アサーティブ・コミュニケーション」(日経文庫,2022)。


アンガーマネジメントとの関連や、アンコンシャス・バイアス(思い込み)について、また「ケース別対応例」(例えば、"攻撃的な相手に、どう伝えればいいのか"など)も述べられており、全体の流れがわかりやすいと思った。

この中で著者が述べているように、アサーティブ・コミュニケーションの目標(ゴール)は、自分が「アサーティブに伝える」というところにあるのである。
自分が相手の立場を尊重したのだから、相手もドラマティックにアサーティブになってくれるのを期待する・・とか、とりあえずその場が丸く収まったので良い・・ということではないのである。

それでも、お互いがアサーティブコミュニケーションを心がけることができれば、職場のパワハラなどは減らすことが期待できるし、
人間関係とは、結局コミュニケーションを通して能動的に作っていくことが大切なのだ、と意識していたいと思う。


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