箱根の成川美術館に行ってきた。
箱根に行った折には、寄ることの多い美術館。
ここの展望ラウンジ、そしてミュージアムカフェからの眺めは、箱根の中でも個人的に特に気に入っている場所の一つだ。(なお、ここのカフェの横にNHKのお天気カメラがあるそうで、なるほどNHKの天気予報でよく見る景色である)。
今回は富士山は見えなかったけれども、海賊船がやってきてくれた。
箱根神社、今日あたりは参拝するのに熱中症が気になるところだなあ。
などと、カフェでコーヒーを飲みながらつらつら。
今回は企画展として「黒光茂明 いのちの響きを聴く」が開催されており、
会場内で、まるで四季を追体験するように、おおらかに自然を表現した数々の作品を鑑賞したのであったが、
それとは別の会場にあった美術館コレクションの一つ、
堀文子「トスカーナの花野」(1990)。
(なお成川美術館では、フラッシュ撮影は不可だが、それ以外の撮影は基本的に大丈夫なよう。ただし企画や作品によって確認を推奨)。
温かみのある堀さん(1918-2019)の作品は結構好きだったりするのだが、
今回、特にこの作品が心に留まったのはそのキャプション;
”画家は69歳の時、バブルに浮足立つ日本に嫌気がさして単身イタリアへ行き、トスカーナ地方の古都アレッツォ郊外にアトリエを構えた。(後略)”
そこから"足掛け5年"、トスカーナで制作に打ち込んだという。
69歳。
70歳を前に、さらに前に、新しい道を切り開いていく人の力。
アラ還にしてこの先を迷っている自分にふと刺さったのである。
自分も、いまの自分に足りないもののためにどこかに旅立つ、
ようなことができるだろうか。
などと思う気分を忘れずにいようと、絵はがきを買って帰ってきたのであった。
同じ作家による「鳥達の歌(2001)」「鳥達の空(2004)」も一緒に。
また来ます。
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