2022年12月15日木曜日

「テレワークの普及で女性の負担が増加したのはなぜか」

たまたまニューズウィーク日本版で、こんな記事を見かけた。教育社会学者、舞田敏彦氏の記事である。

[記事へのリンク→]テレワークの普及で女性の負担が増加したのはなぜか


"コロナ禍以降、人々の生活は大きく変わった。働き方について言うと、テレワークの普及が大きい。(中略)その多くは在宅勤務だが、通勤がないので時間的余裕が生まれ、その分を家事や育児等に充てることもできる。周知のように日本の男性の家事分担率は低いが、在宅勤務が広がっている今、家庭内の性役割分業の歪みはなくなっているのだろうか。"(以上引用)

舞田先生は、公表されているデータを様々なテーマのもとにわかりやすくまとめ、SNSなどで発信されている方だが、今回は2021年の総務省『社会生活基本調査』を用いて、「働き盛りの35~44歳の雇用労働者」が、1日にどういう行動をしていたかを図表にして示している。

それによると、

「テレワークによる生活変化」として、

"1)睡眠や休養は男性では増えているが女性では減っている、2)男性では趣味・娯楽、女性では育児の増分が大きい、という2点"(以上引用)

が示されているのである。

"簡単に言うと、女性の負荷が増えている、ということだ。"(以上引用)


在宅勤務になって、男性では休養が取れるようになった。過酷な勤務や長時間労働が減った(というかほぼなくなった)ということでもあり、それは本来望ましいことであるはずなのだが、
女性ではそうはならず、家でやらなければならないことが増えたということだ。

育児にかかる時間は、コロナ禍で保育施設や学校に子供が行かれなくなったことなどによって増えたと思われるが、そのため家庭内で育児を行うというとき、その対応もしくは負担が、多くは女性(のみ)にかかっていた、ということが推定される。


そしてなんと、30代以上では女性だけ、コロナ禍以降の自殺が増えているという。これは、厚労省の「人口動態統計(2021)」のデータである。(詳しくは上記の記事参照)

テレワークによる在宅勤務が、多くの女性に、家での負担を増やしてしまっているであろうこと、

そして働き方の変化や経済状況など、さまざまな理由で、死を選ぶ女性が増えてしまったらしいことが示唆されている。


コロナ禍で広がったテレワークまたは在宅勤務は、ある意味、パンデミックにより余儀なくされた「働き方改革」なのだろうけれど、その中身は、まだまだ女性に多くの負担がかかるのが実態であったようだ。

これからもパンデミックは起こるだろうし、在宅勤務やテレワークの拡大は進むのであろう。
夫婦とも在宅であれば、というよりそうでなくても、家事育児をどちらかの負担になりすぎずに「家族のこと」として分担できるよう、
これはもうパンデミック以前、というか普段からそのように準備しておくことが、いろいろな意味で家庭の平和や健康を守るのに役立つのではないかと思われる。









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