2024年10月13日日曜日

「本日公休」

シネスイッチ銀座で、「本日公休」を観てきた。
台湾映画である。


 舞台は台中。

40年間変わらずに、常連客を相手に、小さな理髪店で髪を切ってきたアールイ。
夫と死別し、一人暮らし。
3人の子供たちは成人してそれぞれの道を歩んでいるが、皆が悩みや迷いを抱えており、あまり母の日常を知らない。近くに住む、妹の元夫で自動車修理工のチュアンが、何かとアールイを心配してくれるのだが・・・


ある日、遠方から通ってきてくれていた長年の常連客が病に倒れたことを知り、
これまでの恩を返すためにと、店に「本日公休」(本日休業)の札をかけて出張散髪に出かけるアールイであったが・・


おそらく私と同じような年代(多分50代後半から60代初めくらいの設定?)で、一人で店を切り盛りしつつ、少しずつ自分の体の老いにも向き合うアールイ。
ごく普通の理髪店と理髪師、ごく普通の、いわゆる一般の人々。
その中で起こる「いつもどおり」の、小さな出来事を淡々と描く物語なのであるが、
評判通り、良かった。

何がいいんだろう。

いつもの生活、いつもの人生、だからなのかな。


いつもどおり。


自分にできることを、自分の大切なひとへの想いを、丁寧に編み込んでいく。そうすれば人生は編み上がる。

そんな、何気ない台中の風景を、それぞれの視点で、それぞれの人物を優しく包みつつ、語られていく物語。

笑える場面・楽しい場面もあれば、ハラハラするところも、そして思わず涙が誘われる場面もあり。
あと、猫に癒されるかも。


プログラム(900円)には、ちょっとした台中の観光ガイドも載っていて楽しかった。
ただ、このプログラムはなんとA5版で、いかにも文字が小さい。鑑賞に来ている客層を考えると、もう少し読みやすい体裁にしてもよかったのでは?と思ったり。

シネスイッチ銀座は、今はネットでもチケット予約できるようになって便利になった。
劇場は相変わらずこじんまりしているけれど、椅子の幅はやや広い気がする。
スクリーンは確かに小さめで、2階席だとちょっぴり遠いかもしれないが、どうかな。


おすすめの映画。

0 件のコメント:

コメントを投稿