2023年2月15日水曜日

ミュージカル「バンズ・ヴィジット」

日生劇場で、ミュージカル「バンズ・ヴィジット」を観た。


2007年の映画「迷子の警察音楽隊」が原作のミュージカル。

実は原作の映画は観ていなかったのであるが、トニー賞10冠のミュージカルの日本版、森 新太郎さんの演出、と聞いて、これは観なくては!!と楽しみにしていたのである。



日生劇場はものすごく久しぶりな気がするが、レトロながらも心地よくいられる空間であった。

入場すると、客席に行く前のところで、「もっとバンズ・ヴィジットを楽しむための 開幕直前ちょこっと講座」という、作品の補足解説のチラシが。

そう、この話は、エジプトとイスラエルという、国際的に「あまり仲良くない隣国」で起こったという設定の話なのである。

エジプトのアレクサンドリア警察音楽隊が、イスラエルの空港に到着。
ペタ・ティクヴァ」のアラブ文化センターでの演奏会に行く予定の音楽隊は、
しかし、どこで聞き間違えたのか、「ベト・ハティクヴァ」という、何もない辺境の街に到着してしまうのである。

ホテルもないその街。演奏会は明日。仕方がないので、音楽隊は、街の食堂の女主人の案内で、一晩、その街に泊めてもらうことになる・・・。



話はそれだけなのである。
何も起こらない話、と聞いてはいたが、想像以上に何も起こらなかった(笑)。


なのだが、


その一晩で、

言葉も違う、文化も違う、そしてそれぞれに、それまで精いっぱい過ごしてきた「自分の人生」を背負っている人々が、
ごくささやかな「交流」をすることになる。
音楽とともに。

そこで流れる空気、
皆の間を行きかう、最初はぎこちなく、しかし次第に深くなっていく言葉とメロディー、
そして、昨日と明日は敵かもしれないが今日は隣人であるというその距離感が、

観た後でじんわりと心を温めてくれる、そんな作品であった。

音楽隊というよりは女主人が主人公のようなのだが、濱田めぐみさん、表情豊かに歌い上げ、一人で辺境の街で生きている「女」の強さと弱さがうまく混ざっていて、とても良かった。

その他の役者さんも皆、芸達者!で、それぞれの役柄にぴったりはまっていた。
警察音楽隊の皆さんが劇中で奏でる中東の音楽は、それだけで聴いてもライブとして楽しめるほど素敵であった。

今度、映画の方も観てみようと思う。




チケット↓ホリプロで購入すると、イスラエル料理のランチ付チケットとかある(はず)!








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